社内公用語英語化の取組み企業および一覧!

従来の取り組み企業の紹介の仕方は、 ①英語を公用語として扱う準備段階にある企業 ②英語を公用語として運用している企業 ③公用語化を飛び越えて、あらゆる場面で通用する社内言語としての運用を目指す企業④社内公用語英語化を考えない企業の四つに分けずに、一律に紹介する手法でした。

このような紹介の仕方の原因には、社内公用語英語化の定義が不明確で、右概念を多義的に捉えて、運用していたことが挙げられます。そこで、本ブログでは、社内公用語英語化の概念規定を明確化した上で、日本法人の取り組み企業を紹介したいと考えます。

社内公用語英語化とは、ある企業集団の中で、国籍ごとに、言葉が異なる、複数の社員がいた場合、公的な側面において使用される言語を英語で統一する会社の意思決定およびその決定に基づく制度の運営を指します。

公用語の定義を軸に据えて、社内で公用語を使うことの意味を考えると上記のような定義となります。即ち公用語とは、一つの集団・共同体内で複数の言語が使用されている場合に、集団・共同体内の公の場において用いることを公式に規定した言語を指します。社内公用語という場合は、一つの会社で複数の言語が使用されている場合に、会社の公の場において用いることを公式に規定した言語を指します。この言語を英語にするのが、社内公用語英語化です。

この定義を大前提にして、以下日本における社内公用語英語化への取り組み企業を紹介します。

①英語を公用語として扱う準備段階にある企業

アサヒビール株式会社

飲料メーカーとして有名なアサヒビールでは、英語学習は自分で学ぶものとしています。社内でも、専門機関による英語力チェックを始めとする、自主的な取り組みを支援する仕組みが作られています。強制力こそ伴わないものの、将来の社内公用語英語化への準備段階にある企業といえます。公的な側面での英語の公用語化はなされていません。

武田薬品工業

製薬業界では国内最大手の武田薬品工業では、新卒採用の条件としてTOEIC730点以上が課されている部門があります。また、社内でも「T-Scale」という外部団体にいる制度が導入されており、対面で英会話を行うことで、日常会話ができるかどうかのチェックがされるようです。「T-Scale」というメッソッドによって、英会話能力が一定の水準に満たない場合にも、一定の学習プログラムで、修了まで誘うシステムで、社員の英語力の向上に役立たせているようです。背景として、2011年スイス製薬企業買収により、市場が約30か国から約70か国へと一気に拡大、タケダグループの社員も外国人の割合が増加。グローバル化が加速しています。この「T-Scale」というメッソッドは双方向の同時英会話に弱いTOEICのシステムを補強して、会話力に重点を置く例として参考になります。

社長にクリストフ・ウエバー氏を採用してから、人事評価では、英語力がきわめて高いウエイトを占めるようになってきているようです。公的側面で英語力を発揮できない幹部を降格させること等を通じて、社内公用語英語化を制度としては、運用しなくとも、事実上の英語化を果たしている例ともいえます。

ソフトバンクグループ

ヤフーモバイルや家族割りのCMで有名なソフトバンクグループです。グループ全体の売り上げとして、2016年度決算にて、1兆円を達成しました。トランプ大統領に、米国5万人の雇用のオファーを出すなど、なにかと注目されるソフトバンクグループです。ただ社内公用語英語化については、意外にも準備段階にとどまっています。具体的には、社員のTOEICのスコアに応じて、報奨金を出す制度と社外の英語研修の受講を補助する制度を取り入れており、公用語として、英語を採用する段階には至っていません。

日産自動車産業

ルノーの傘下に入ってから、日産自動車の本社には200人超、30カ国の外国人が常駐し、英語ができないと仕事に支障が生じる状況になりました。ただし本社であるフランスのルノーとのやり取りは、英語で行われているも、日本支社である日産自動車では、公用語化されていないです。将来の公用語化に備え、人事評価に英語でしっかりとコミュニケーションできるという項目を作りました。また管理職以上になると流暢でなくても、会議で何をいっているかを理解し、明確に自分の意思を伝えることが可能な人しか残っていないそうです。公用語化されていなくとも、人事評価で英語力を要求して、事実上の社内公用語英語化の機能を持たせている典型的な例と言えます。

 

②英語を公用語として運用している企業

株式会社ファーストリテイリング

ユニクロで有名な会社です。国内の本社でも、幹部レベル以上は全て英語で会議や資料配布を行っているそうです。TOEIC受験を業務の一環とし、全面的にバックアップしています。典型的な意味での社内公用語英語化が実施されている企業といえます。

③公用語化を飛び越えて、あらゆる場面で通用する社内言語としての運用を目指す企業

楽天株式会社

楽天は10年春に三木谷浩史会長兼社長が公用語化を宣言し、12年7月に完全実施へ移行。日報などの社内文書や資料もすべて英語で、会議も日本人同士であっても極力英語を使います。日本において英語を公用語化することの意義は、会社の公的な会議に、他国の言語を話す、外国人がメンバーとして入る場合に最も良く妥当するものです。しかし楽天の場合、会議の種類を問わず、その会議がたとえ日本人同士であっても、極力英語を使います。

この意図は、オンザジョブトレーニングの意味もあるようです。一律に公的側面と無関係な場面においても、英語を使用させることによって、日本語へ依存する機会を減らし、もって社内公用語英語化の完全実施を図ろうとするものです。

 

社内公用語英語化を考えないグローバル企業

小型モーターの開発・製造で世界シェアトップの日本電産が社員の昇進に外国語習得を義務付けるています。2015年から課長代理以上の管理職の昇進には外国語1カ国語、20年からは部長級の昇進に2カ国語の習得が必要となります。

注意して頂きたいのは、あくまで習得が義務づけられるのは、外国語であり、英語はその一種に過ぎないということです。

日本電産は社内公用語英語化には反対の立場を採用します。あくまで、語学は、ビジネスの道具と割り切りっています。同社が昇進に外国語を義務づける理由については「語学という手段がないと海外でものを売れない。イタリアに行ったらイタリア語、ハンガリーに行ったらハンガリー語を話しなさいということだ」と永守重信社長は力説しています。

このよな考え方は、ローカリゼーションと言われ、グローバリゼーションとは、次元の異なる考え方です。進出先のエリアに応じたカスタマイゼーションが行われなければ、日本企業に対する、進出エリアごとの共感が得らるはずもなく、モノやサービスが売れるはずもないという考え方です。

 

楽天やユニクロの海外事業不振と社内公用語英語化との関係

相次ぐ海外事業からの撤退

ユニクロは2004年に米子会社を作って、49店舗も展開しているのに、未だに赤字。国内市場が急速に業績不振となり、本当は米国の赤字部門など撤退したいと思うのが、本音でしょう!他方2016年2月にアジア圏からの撤退を発表した楽天が、ヨーロッパからの撤退で、イギリス、スペイン、オーストリアの三国の拠点を同年8月末に閉鎖しました。

これで楽天が拠点を置く国は台湾、アメリカ、ドイツ、フランス、ブラジルの五国のみ。台湾やフランスでは事業が好調とのことで、今後はこれらの国にリソースを集中し、事業を強化するとのことですが、ここにきて楽天の数年前までの強気なグローバリゼーションに陰りが見えたのは拭いようがありません。

進出先となる海外市場への共感力

社内公用語英語化との関係では、両社ともグローバリズムの中に、英語が公用語化されているという要素を過大に評価しすぎたという部分で共通した原因があると当サイトは見ています。

グローバリズムが席捲しているエリアでは、例えばシンガポールのように、英語で、シンガポール人の文化や価値観が、分かり合えるという期待は一定の範囲で持つことも可能です。ただし、文化の背景から、深く理解しようとしたときには、現地語であるマレー語や中国語を使って思考しないと、表層的な理解しか得られません。結果として、進出先の市場から、共感を得られるようなサービスを提供することができなくなり、撤退という選択を強いられることにつながる可能性がでてきます。

公用語としての英語は、最低限の意思疎通ツールであり、思考ツールではないという点を我々は認識しなければなりません!

amazonに見る日本市場からの共感力の獲得

日本にとって外資であるamazonは、配送業者について、佐川急便、ヤマト運輸を使って、宅配システムを構築していました。当日お届け便その他の迅速な宅配システムを売りにした、amazonは、最初から自社の宅配業を宅配システムに組み込むことを、あえて避けたと言われています。amazonは進出先の日本の代表的な宅配業者のキャパを超えたあたりから、自社での配送に切り替えて、徐々に浸透させていくという戦略をとっているそうです。

最近、ヤマト運輸がamazonから撤退というニュースが流れました。日本の流通業界にしてみれば、ヤマト運輸や佐川急便(同じく前年に撤退)でもキャパを超える荷物(年間16億個の荷物のうち、2億5千個がamazonの荷物)が出荷されたて処理できなかった以上、amazon独自の配送業が参入するのもやむを得ないとなります。日本のamazonユーザーからも共感を得ながら、自社宅配業者を市場に浸透させていきます。

このようなamazonの戦略は、日本に於いては、『急激に出る杭は打たれる』という国民性や文化を深く理解したやり方と評価できます

 

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公開日:
最終更新日:2017/06/09